失って初めてその重要性に気づくものとして「歯」があるのではないでしょうか。
そうは言っても年齢と共にどうしても歯が減るリスクは高まります。
今回は年齢別の喪失歯数や残存歯数といった歯の本数について書きたいと思います。
永久歯は6歳ごろから生え始めて10代に掛けて生えそろえます。手前から奥に向かって7本ずつ、上14本・下14本の合計28本です。人によっては一番奥に親知らずが生えてきますが、一般的には28本でこれがベースになります。
厚生労働省の発表している「令和4年歯科疾患実態調査結果の概要」を見ると喪失歯数(永久歯)は以下のようになっています。
年齢階層 | 喪失歯数(本) |
44歳以下 | 0.6 |
45~54歳 | 1.4 |
55~64歳 | 3.0 |
65~74歳 | 6.0 |
75~84歳 | 11.2 |
85歳以上 | 14.1 |
44歳以下ではほぼすべての歯がそろっていますが、45歳を過ぎると歯を失う可能性が高くなってくるのがわかります。
1989年から厚生労働省と日本歯科医師会では、「80歳になっても自分の歯を20本以上保ちましょう」という『8020運動』を推進していますが、80歳で20本以上の歯を有している人の割合は51.6%だそうです。1993年当時の10.9%と比べるとおよそ30年間でかなり増加していることがわかりますが、それでもまだ半数という状況です。
人生100年時代と言われて、日本人の平均寿命は男性が81年・女性が87年だそうです。一方「自立した生活ができる」健康寿命は男性72歳・女性75歳で、平均寿命との間には大きな開きがあります。健康に生活するためには食べることは重要な要素の1つであり、そのためには歯の状態を良好に保つのはとても大切なことです。
歯は悪くなってからでは歯を残せないリスクが高まります。ご家庭での普段からの歯の入念なお手入れや歯医者での定期的な検診など『予防歯科』に取組むことが健康寿命を延ばすことにも繋がります。